「西国三十三観音霊場」番外札所って何だ?『法起院』を訪れてみた。 - 「高天原の縁側日記」
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2018/01/28

「西国三十三観音霊場」番外札所って何だ?『法起院』を訪れてみた。

「西国三十三観音霊場」をバスでツアーすると7番札所「岡寺」と8番札所「長谷寺」の間に必ず『法起院』を訪れるコースが組み込まれていま。

もちろん、日本で一番古い「西国三十三観音霊場」を巡ってみようと考えられる、信心深い方はご存知でしょうが、私のブログはそんな方ばかりがご覧になるわけでもないですし。むしろ歴史や寺社仏閣なんて苦手~と思われる方に是非読んでいただきたいので、出来るだけ分かりやすいように、「西国三十三観音霊場」や『法起院』の魅力をお届けしたいと思います。
CIMG9260.jpg(法起院の山門です。塔頭だけにこじんまりしていますね。)

話は全く飛ぶのですが、先日新聞を読んでいると、春日大社(奈良市)の宝庫で昭和14年に見つかった太刀が、伯耆(ほうき)国(現在の鳥取県中西部)の刀工によって平安時代後期に製作された最古級の日本刀と判明し、同大社が22日(私はブログのオフ会で楽しんでいたのですが)、発表しました。刀身には使用したり研いだりした形跡がほとんどなく、「当時の長寸太刀は現存数が少なく、貴重な資料」に成るそうです。

太刀は無銘ですが、刀身の古さから「天下五剣」に数えられる国宝「童子切(どうじぎり・渡辺綱が酒呑童子の腕を切り落とした刀です)」で名高い刀工「伯耆国安綱」作の可能性もあり、南北朝~室町時代初期に武家から奉納されたと言われます。

太刀の刀身は刃長82・4センチ、反り3センチ、幅3・3~2センチ。昭和14年に宝庫の解体修理の際に天井から見つかった太刀の一振りで、刀身が錆(さび)に覆われていたことから、人間国宝の本阿彌光洲(ほんあみ・こうしゅう)氏に研磨を依頼していました。もちろん刀にもビックリですが、人間国宝の本阿彌光洲(有名な本阿弥光悦とは分家違いのようですが)さん、あの本阿彌家がまだ存続して稼業?を続けていることにビックリでした。刀剣女子の雄たけびが聞こえて来るようです。(笑)


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【西国三十三観音霊場を復習しときましょう】

西国三十三カ所観音霊場巡りの由来は、養老2年(718年)、大和国長谷寺を開山した「徳道上人」が病にて仮死状態になられた際、冥土で閻魔大王に会い、「生前の悪い行いによって地獄へ送られるものが多い故、観音の霊場へ参ることにより功徳が得られるよう、人々に観音菩薩の慈悲の心を説け」とのお告げを受け、起請文と三十三の宝印(仏教寺院で用いる印鑑の一種。宝珠形などの中に、本尊を表わす梵字や真言などが刻んであります。)を授かって現世に戻され、その証拠でもって人々に観音信仰、及びその霊場へ参ることをすすめられました。
徳道上人が極楽往生の通行証となる宝印をお配りになったという場所は、観音菩薩が衆生を救うために示現された霊験所や寺院でした。上人と弟子たちはこの三十三所巡礼を人々に説きましたが、世間の信用が得られずあまり普及しなかったため、機が熟すのを待つこととし、閻魔大王から授かった宝印を中山寺(兵庫県宝塚市)の「石の唐戸」の中に納めました。そして月日がたち、徳道は隠居所の法起院で80歳で示寂し、三十三所巡礼は忘れ去られていきます。

CIMG7777.jpg
(中山寺の石棺が「石の唐戸」?)

徳道上人が中山寺に宝印を納めてから約270年後、花山法皇(安和元年〈968年〉~寛弘5年〈1008年〉)が紀州国の那智山で修行していた折、熊野権現が姿を現し、徳道上人が定めた三十三の観音霊場を再興するように託宣を授けます。

花山法皇は、988年(永延2年)観音霊場三十三ヶ所の宝印を石棺に納めたという伝承があった、中山寺で宝印を探し出し、播磨国書写山圓教寺の性空上人の勧めにより、河内国石川寺(叡福寺)の仏眼上人を先達として紀伊国熊野から宝印の三十三の観音霊場を巡礼し修行に勤め、大きな法力を身につけたといわれます。このことにより、やがて観音霊場を巡る西国三十三所という信仰となり、西国三十三所は日本最古にして、巡礼の元祖となりました。

この花山法皇の観音巡礼が、西国三十三所巡礼として現在でも継承されており、各霊場で詠んだ御製の和歌が御詠歌となっています。花山法皇は、寛弘5年(1008年)2月花山院の東対にて崩御、紙屋上陵(現在の京都市北区衣笠北高橋町)に葬られています。

【今日ご紹介する「法起院」番外札所って何?】

復習の前書きにも出て来ましたが、法起院(ほうきいん)は、徳道上人の隠居所で80歳でお亡くなりになった場所です。奈良県桜井市初瀬に所在し長谷寺の塔頭寺院(すぐ傍)です。宗派は真言宗豊山派。本尊は徳道上人。西国三十三所番外札所です。

うんちく「西国三十三所観音霊場番外札所」とは?。番外札所については、まとまった資料がなく、どれだけあるのかもよくわかっていません。 徳道上人に関係するお寺(今日ご紹介の「法起院」)、中興の祖、花山法皇と関係の深いお寺、更にはお礼参りの長野県「善光寺などが、有名な番外札所となります、菩提寺、元慶寺、法起院の3つが有名ですが、その他にもあるようです。

CIMG7451.jpg(番外札所「東光山 花山院 菩提寺」 )
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(番外札所「荒陵山 四天王寺 」の満願供養塔!)

「東光山 花山院 菩提寺」 兵庫県三田市尼寺352番地
「華頂山 元慶寺」 京都府京都市山科区北花山河原町13
「豊山 法起院」 奈良県桜井市初瀬776番地
「熊野妙法山 阿弥陀寺」 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町南平野2270-1
「荒陵山 四天王寺 金堂」 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
「比叡山 延暦寺 根本中堂」 滋賀県大津市坂本本町 4220
「高野山 金剛峯寺 奥之院」 和歌山県伊都郡高野町高野山132
「東大寺 二月堂」 奈良市雑司町406-1
「特別名跡 五百羅漢 壺阪山 奥之院」 奈良県高市郡高取町壷阪3番地
「天竺渡来 大観音石像 壺阪山」 奈良県高市郡高取町壷阪3番地
「定額山 善光寺」 長野県長野市長野元善町491

webで調べると11寺が発見できました。私は半分の6寺院にお参りしているようです。

【「法起院」について学ぼう】

開山堂(本堂):地奈良県桜井市初瀬776
宗派:真言宗豊山派
寺格:長谷寺塔頭
本尊:徳道上人
創建年:伝・天平7年(735年)
開基:伝・徳道中興年元禄8年(1695年)
中興英岳正式名:長谷寺 開山坊 法起院
札所等:西国三十三所番外
御詠歌:極楽は よそにはあらじ わがこころ おなじ蓮(はちす)の へだてやはある

CIMG9261.jpg(ご由緒書き)
CIMG9262.jpg(徳道上人の廟と伝えられる十三重石塔が見えますか?)

寺伝によれば奈良時代の天平7年(735年)に西国三十三所を創始したと伝えられている徳道がこの地で隠棲した事に始まるとされます。徳道は晩年、境内の松の木に登り法起菩薩となって遷化したと言われています。当院の名称はそれに由来します。境内には徳道の廟と伝えられる十三重石塔があります。

CIMG9263.jpg(説明札の手前の石が法起菩薩となる前に草鞋を脱いだ石だそうです。そういえば草鞋が付いているようにも見えますね。)

江戸時代前期の元禄8年(1695年)長谷寺化主の英岳僧正が寺院を再建し、長谷寺開山堂としました。

【最後の一言】

バスツアーでまわると、先達さん(西国三十三観音霊場を何度も巡られた先輩です)のお話など、とても勉強に成って面白いのですが、そこはやはりツアーなりのルール(時間が足りない等)があります。ゆっくりとお参りするなら自分で行った方が良いかもしれませんね?しかしながら「旅は道連れ世は情け」の言葉もございます。偶然お隣に成った方ともお話も面白いですし、一番札所の青岸渡寺等は自分で運転して行くなどと思うと東京の方が楽じゃない?と思えるところでした。お値段もお安いですし、ほどほどお弁当も美味しいですので、ご利用されるのもよいかと思います。私はもう一度位ツアー利用しようと考えていますよ。(笑)

CIMG9264.jpg
(タラヨウ・手紙の木、奥の木です。)


うんちく『多羅葉』、本州静岡以西~九州、中国、四国に分布します。関東にも植樹されていることがあります。雌雄異株で、花期は4~5月頃、4mmほどの小さな淡黄緑色の花が群れて咲きます。秋には8mmほどの小さな球形の赤い実がなり、葉は肉厚で20センチほどもある長楕円形をしており、その縁は鋸のように細かいきざぎざとなっています。日本では葉の裏面に経文を書いたり、葉をあぶって占いに使用したりしたため、その多くは寺社に植樹されています。また、葉の裏面を傷つけると字が書けることから、郵便局の木として定められており、東京中央郵便局の前などにも植樹されています。

歴史って本当に面白いですよね~!
今後もランキングにはこだわって良い記事をUPしたいと思います。はげみになりますので宜しくお願い致します(^人^)
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