日本三大蕎麦の一つ「出雲蕎麦」を食べ比べ『出雲』VS『松江』 - 「高天原の縁側日記」
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2017/11/02

日本三大蕎麦の一つ「出雲蕎麦」を食べ比べ『出雲』VS『松江』

今日は、歴史取材の合間に、せっかく出雲迄来ましたので、出雲蕎麦の食レポブログをお送りします。

出雲蕎麦は日本三大そばの一つに数えられ、長野県の戸隠(とがくし)そば、岩手県のわんこそば、島根県の出雲(いずも)そば、の3つのうちのひとつなんです。普段おそばをそれほど食べないという方も、いずれかのそばの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

PB020286.jpg(食レポで初めてのリフティング~笑、出来たぜ!)

題名に書いたように、現在の出雲市で食べる出雲蕎麦と、松江市の武家の間で発展したといわれる割子蕎麦を超有名店で食べ比べて味わってみました。どちらも甲乙つけがたいですが、それぞれに特徴があるので、ご紹介したいと思います。

それでは、『市郎右衛門』の日本史ブログをお楽しみ?くださいね(人´ω`*).☆.。
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【出雲蕎麦ってどんな蕎麦?】

出雲蕎麦(いづもそば)は、島根県の出雲地方で広く食べられる郷土料理の蕎麦ですが、古来より出雲地方では、蹈鞴製鉄(たたら)と共に蕎麦栽培は盛んでした。江戸時代初期、信州松本より松平直政公が移封された時に「蕎麦切り」が伝わったと言われています。

先般古い文献が発見され、1666年(4代将軍家綱の頃)に松江の寺社奉行宅に於いて、蕎麦切りが振る舞われたという記録が記載されていました。江戸に於いて蕎麦が盛んになったのは、江戸時代後期なので、かなり早い頃から出雲の国では蕎麦切りが食べられていた事になります。

その後、麺としての蕎麦の形となり、現在の出雲そばは、暖かい釜揚げそばや冷たい割子蕎麦があります。蕎麦粉を作るときソバの実を皮ごと石臼で挽き込むので、そばの色は濃く黒く見え、香りが強いのが特長です。最近は日本各地のそば粉が使われているとですが、本来は奥出雲町など地元産のそば粉を使っていました。

ちなみに、私の地元、出石蕎麦も同じように皮を挽き込むので、出雲蕎麦に似た香りの強い、濃い色の蕎麦なんですよ~。

【釜揚げ蕎麦と割子蕎麦の歴史】

出雲地方では、奥の院詣りといわれる出雲大社、日御碕神社、美保神社、大山寺、一畑寺への参拝の際に、門前の蕎麦屋で蕎麦を食べるのが庶民の楽しみでした。また「神在月(かみありづき)」に行われる「神在祭」(通称「お忌みさん」)の際、神社の周りに屋台の蕎麦屋が立ち並び、身体の温まる「釜揚げ」で新蕎麦を食べていました。「釜揚げ蕎麦」は、出雲を去る神々を見送る儀式「神去出祭(からさでさい)」にちなんで、「神去出蕎麦」また「お忌み蕎麦」と呼称されることもあります。つまり、釜揚げ蕎麦は、出雲大社由来ということになりますね。

一方、割子蕎麦は、松平治郷(松平家第七代藩主)が、当時「高貴な人はそばを食べない」とされていたにも拘らず、忍びで夜に屋台の蕎麦(いわゆる夜鷹そば)を食べに行くほどの蕎麦好きだったために、生み出された食べ方です。

松平治郷は、この地域の産業・文化を振興した名藩主として「不昧公(ふまいこう)」と呼ばれ親しまれ、茶人としても茶懐石に蕎麦を取り入れその地位向上に一役買っています。

その不昧公好みの食べ方として、割子蕎麦の発展の歴史があります。割子蕎麦は、出雲そばの中では三段の丸い漆器にそばを盛って出す形式がもっとも有名な形となりました。

これは江戸時代に不昧公の流れをくむ松江の趣味人たちが、そばを野外で食べるために弁当箱として用いられた形式が基となっています。出雲地方では昔から重箱のことを割子(割盒)と呼んでおり、当時の割子は正方形や長方形、ひし形などさまざまな形でしたが、1907年頃に当時の松江警察署長の発議によりヒノキを用いた底の厚みのある丸形の漆器に変わっりました。警察署長の意見は、器が四角形であると四隅が洗いにくく、衛生的見地みても丸い形状がよいと考えたからと言われています。

【割子蕎麦の特長】

割子蕎麦の食べ方は、他の地方の蕎麦に比べて、だし汁の掛け方が全く違います。他の地方ではだし汁は別容器に入って出され、蕎麦をだし汁の中につけて食べる場合が多いのですが、割子蕎麦の場合、だし汁を器に入れて食べるため、蕎麦猪口じたい使用せず、だし汁を入れる容器から直接割子にそそぐ形式になっています。それに薬味をかける場合が多く、おろし大根は定番です。 三段重ねの場合、まず一番上の割子にだし汁をかけて蕎麦を食べ、一段目を食べ終わったら残っただし汁を二段目にかけて食べる、というふうに、だし汁を使い回しながら上から順に食べてゆきます。

【釜揚げそばの特徴】

釜揚げ蕎麦は、釜や鍋から茹でたそばを水洗いせず直接器に入れて、茹で汁であるそば湯をかけ、つゆや薬味を使って食べる蕎麦で、「釜揚げ」と呼ばれています。同じ麺類としては、山梨県富士吉田市界隈で食べられている吉田のうどんに、茹でた麺に茹で汁をかける「湯もり」という似た食べ方があります。

【出雲名店の釜揚げ蕎麦と松江名店の割子蕎麦を食べ比べてみる】

『出雲市釜揚げ代表 荒木屋』

PB020249.jpg(荒木屋さん開店前から行列でしたが、一人なので相席で入れました。)
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(地元の皆さんが愛する老舗の味はどうだ?)
PB020277.jpg(届いた瞬間から美味しそうな出汁の香に悩殺~!)
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(誰あろう川端康成もうなった味です。)

創業は天明年間、江戸時代から約220年続いており、周辺の出雲そば店の中では一番の老舗です。素朴で郷土色豊かな店内は1階がテーブル席とお座敷、2階はお座敷のみとなっており、老舗の趣漂う落ち着いた雰囲気でそばを楽しむことができます。

そば粉の良いところだけを石臼挽きにして作ったそばは、出雲そば特有の黒さは控えめですが、香りがあり、細いながらコシもあります。

当然「荒木屋」で頂いたのは、釜揚げ蕎麦です。食べる前に、お味が足りないようだったらお出汁を追加してくださいとの声かけがありましたが、全く必要のない美味しいお出汁で、やさしくまろやかな味でした。蕎麦の味も上品で、老舗にふさわしい味でした。

出雲大社には、御師(おし/おんし)といわれる特定の寺社に所属して、その社寺へ参詣者を案内し、参拝・宿泊などの世話をする役目を担った先達がいたようです。その御師が発行したお札は、出雲蕎麦無料チケットの役割もあり、そのおかげも加わり、出雲蕎麦の現在の隆盛となりました。

この店には、その御師が持ち歩いたお札の原板が数多く飾られており、ブラタモリでも紹介されていましたね。

PB020252.jpg
(ブラタモリでも紹介の版木他にもいっぱいありましたのでご紹介。)
PB020257.jpg(元々はただチケットでは無くて、出雲大社のお札だそうです。)
PB020263.jpg(御札を持ってくれば無料は考えましたね。我が出石蕎麦も監察札という同じような物が有ります。こちらは一年間無料です。)


『松江市割子蕎麦代表 神代そば』

CIMG9691.jpg(家族で行った神代そばは家族も写っているので写真が少なくて申し訳ありません。)
PB020383.jpg(グルメ茶人の大名も舌つづみの味はどうだ~。)
PB020378.jpg(どうにかしようと頑張ったのですが、さすがに人気店午後二時にはこの状態でした。(-"-;A ...アセアセ)

七代藩主不昧公により、それまで庶民の食べ物とされていた蕎麦が、茶懐石の中で用いられ、大名貴人まで食べられるようになった事は、日本の蕎麦の歴史にとって画期的な事でした。城下町松江では、「連」により「割子」が作られ、出雲蕎麦の文化もまた花開きました。
当時の松江の蕎麦屋では、荒蕎麦を買い、石臼で挽いて、お客様に蕎麦をお出ししていました。また、新そばの頃はつなぎを使わない十割蕎麦もあったようです。しかし、時代と共に粉は粉屋から買うようになり、また多くの店が二八蕎麦になっていきましたが、
「神代そば」では、創業以来石臼挽き、生粉打ち(十割蕎麦)を提供しているそうです。また蕎麦つゆには、本枯節と地傳酒を使用し、松江の伝統的な蕎麦の味を伝えています。

一昨年家族で訪れましたが、もちろん食べたのは割子蕎麦です。お出汁がからい(しょっぱい)ので、量を注意してくださいと言われました。はっきり言って確かにからかったです。しかしながら、その濃さが蕎麦と絡むと蕎麦の味を引き立て、とても美味しくいただきました。

【最後に一言】

我が地元の出石蕎麦が、日本一の認識を持っていた私としては、前回家族で行った「神代そば」と今回伺った「荒木屋」両店の蕎麦にはシャッポを脱ぐしかありませんでした。名物に旨いものなしの言葉は、出雲蕎麦には当てはまらないことが今回の取材でわかりました。

是非みなさんも出雲蕎麦を味わいに、出雲へ出かけてみてはいかがでしょう。

歴史って本当に面白いですよね~!
今後もランキングにはこだわって良い記事をUPしたいと思います。はげみになりますので宜しくお願い致します(^人^)
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