2016/06/07

『茗荷』の想い出と二つのお話し!

実家の裏庭の藪のなかに、「茗荷」がかなり生えていて、父は好物なので何かにつけて、薬味にしているのですが、子供の頃私は、あの味が嫌いでしょうがありませんでした。
大人になると不思議とあの味が懐かしく美味しく思えるのが不思議です。

茗荷は「食べると物忘れがひどくなる」と言われていますが、学術的な根拠はないそうです。
栄養学的にそのような成分は含まれていません。
逆に近年、香り成分に集中力を増す効果があることが明らかになっています。
無機成分では窒素とカリウムが多く含まれ、食物繊維(粗繊維)が多い事も知られるように成りました。

なぜ、上記のような『物忘れ』俗信が生まれたかというと、釈迦の故事に由来します。
釈迦の弟子である周利槃特(梵語:チューラパンタカの音写で、しゅりはんどく、スリバンドクなど)は記憶力に乏しい人物で、自分の名前すら忘れてしまいます。
そこで名荷(名札の事)を首にかけさせたが、名荷をかけたことさえも忘れてしまうしまつです。
とうとう死ぬまで名前を覚えることができませんでした。
その後、死んだ周梨槃特の墓にいくと、見慣れない草が生えていました。
そこで「彼は自分の名前を荷って苦労してきた」ということで、「名」を「荷う」ことから、この草に茗荷と名付けたそうです。

この説は俗信「物忘れがひどくなる」がさらに派生したものだと思われます。
これは、民話「みょうが宿」が起因となり、世の人々の評判になって知れ渡ったことで前節の俗信が一般化したのでしょう。

「みょうが宿」

茗荷を食わせて財布を忘れさせようとした欲張り夫婦の話
昔、安芸の宮島の厳島神社へ続く街道筋に、とても欲深い夫婦が一軒の宿屋を営んでいた。強欲ぶりが旅人にもわかるのか、客はめったに来なかった。

その宿に、久しぶりに景気の良さそうなお客がやってきた。強欲な夫婦は、茗荷(ミョウガ)を食べると物忘れする、という話を思い出し、この客にたくさん茗荷を食べさせて大金の入った財布を忘れていかせようと計画した。

強欲亭主が、暑気払いに効果があるからと「茗荷の重ね食い」と名づけたその献立は、茗荷の串焼き、茗荷の浅漬け、茗荷の三杯酢、茗荷の煮つけ、茗荷のお汁、茗荷飯、にお酒。茗荷のフルコースだったが、どれも美味しかったため客は大喜びだった。

翌朝、客は朝食にも茗荷づくしの料理を食べさせられて、なにやらフワフワとした気持ちで厳島神社へ出発した。さっそく亭主は客室をくまなく探したが、何も忘れているものは無かった。がっかりした夫婦だったが、財布に気を取られて宿賃をもらい忘れていた事に気が付いた。

がっくりと気落ちした夫婦だったが、あの客が茗荷料理のうまさをあちこちで吹聴してくれたので、それからその宿は「茗荷の宿」と呼ばれ、たいそう繁盛したそうです。

お話しは全国的に有って、落語にも成っているようです。

最初のお坊さんのお話し、年の離れた弟が覚えていて、よく話してくれた記憶があります。

「もうひとつ茗荷で紹介するお話しですが!」

皆さん茗荷の実を見たことが有りますでしょうか?

どんなもの?と思われるかもしれないので、写真を添付します。

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(赤がドクドクしいと思われませんか?)
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(鳥か何かに見つけやすいようにかな?)
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(種は果肉に包まれています。)

子供の頃、母の実家の茗荷畑で気持ち悪い?真っ赤な茗荷の実を見たときに、祖母が「70近く生きているけど、初めて見た」と言っていたのを覚えています。

そんなに珍しいものかと調べてみたところ、確かに珍しい様ですね、本来茗荷は地下茎で増えるので、種自体必用が無いのですが、特殊な条件で希に出来るのだそうです。

茗荷が実を付けるには、花が咲き、空気中の湿度が98%以上(そんな湿度の日が一年間にどれくらい有りますか?)に保たれた状態で、虫が花粉を運ぶという特殊な条件が必要なうえ、受粉から50日もかかってやっと実がなります。
このように茗荷は結実するための条件が厳しいので実はめったに見ることができないのです。

もし茗荷の実を御覧に成った方がおられましたら、貴方はすごくラッキーな方です。

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コメント

非公開コメント

No title

「茗荷」自分は大好きです!

生姜や大蒜や葱なんかもそうですし、
薬味や香味野菜が好きなんですよね(笑)

> 「食べると物忘れがひどくなる」
これは初耳だったんですけど
むしろ逆の効能が得られるみたいですね!

そして何故、茗荷が物忘れと繋がったのか、
その由来の詳細とても勉強になりました_φ(. .*)

さらに茗荷の実! 初めて見ましたよ!
たしかに毒々しくて怪しい見た目ですな…
まず見付けても食べようとは思わないでしょう(笑)

Re: No title

> 「茗荷」自分は大好きです!

今は私も大好きです。

「食べると物忘れがひどくなる」

> むしろ逆の効能が得られるみたいですね!

本当に弟がよく話してくれました。

> そして何故、茗荷が物忘れと繋がったのか、
> その由来の詳細とても勉強になりました_φ(. .*)
> さらに茗荷の実! 初めて見ましたよ!
> たしかに毒々しくて怪しい見た目ですな…
> まず見付けても食べようとは思わないでしょう(笑)

茗荷の実は食べられません?と思います。
私もこんなに条件が厳しいとは思いませんでした。
一生に一度見られたらラッキーですよね(笑)